最高裁判所第一小法廷 昭和33(オ)1111 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人今福朝次郎、同佐藤安哉の上告理由第一点について。
上告人らが本件担保株券を売却したのは、被上告人の承諾に基づくものではなく、
しかもその承諾なくして法定の手続にもよらずに該株券を処分しうる特段の事由は、
上告人らの主張、立証しないところであるとした原審の事実認定および判断は、挙
示の証拠関係に照らし是認できる。所論はひつきよう原審の裁量に属する証拠の採
否、事実の認定を争うに帰し、この点についての原判示には論旨のような違法は認
められない。
同第二点について。
原判決は、被上告人の自認するところにより、被上告人が第一審被告会社から金
二万円の支払を受けた旨を認定したに止まり、所論のように、右二万円が原判示の
株券不法処分以前において弁済されたことは何ら認定していない。それ故原判決に
は所論の違法は認められない。
同第三点について。
原判決が適法に確定したところによれば、所論甲第四号証の一ないし五の売付報
告書は、被上告人が上告人Aから本件担保株券を売却したことを聞いてその不都合
を責めてから数日して被上告人に交付されたものであるというのである。しからば、
右各書証の存在は、上告人らに本件株券売却につき被上告人の承諾を得ていたこと
の証左とするに足りないことは明らかである。所論は、結局原審の裁量に属する証
拠の採否、事実の認定を非難するに帰し、採るを得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
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主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 高 木 常 七
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